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Home 作品解説

300点あるモネの睡蓮のひとつ「睡蓮の池」を5つの観点で徹底観察

~封じ込めた鮮烈な印象に誘われてタイムトリップ~

Mickey by Mickey
2020年10月15日 - Updated On 2020年11月6日
in 作品解説, フランス, 印象派, モネ

ゼロアートのMickeyです。

私の好きなアーティストのひとり、終生印象主義を貫いた、クロード・モネ。

前回は、印象派を象徴する画法を完成させた「ラ・グルヌイエール」についてご紹介しました。
そして今回は、モネ晩年の連作「睡蓮」のうちの初期の作品のひとつ「睡蓮の池」をご紹介したいと思います。

目次

  • 1、モネについて
  • 2、「睡蓮の池」について
  • 3、私にとって「睡蓮の池」とは

1、モネについて


作品を見ていく前に、クロード・モネ(1840-1926)について3Pの観点からさらっとご紹介します。
※3Pとは、Period(時代)/Place(場所)/People(人)の3つの観点です。
◆Period

・モネが生きたのは「ベル・エポック」。パリが繁栄した華やかなこの時代には、様々な新しい美術様式が生まれました。

・リアリズムという革命が興った頃に生まれたモネは、この革命を発展させた「印象派」の巨匠として一時代を築きます。

・印象派が興った1860年代にはフランスの産業革命はほぼ完成し、パリは急激に近代化し物質的にも豊かでした。

・1867年にパリ万博で日本が初出展した結果、その独自性等からヨーロッパでジャポニズムが流行し、「浮世絵」が、モネらフランスの絵画界に大きな影響を与えていた、そんな時代です。

・やがて印象派も終わりを迎え、次々と新しい芸術運動が興りますが、モネは生涯印象主義を貫きました。
◆Place

・パリで生まれ、幼少期をル・アーヴル(ノルマンディ地方のセーヌ河口の街)で過ごし、主にフランスで活躍します。

・拠点はすべてセーヌ川沿いで、生涯この川を描き続けました。ル・アーヴルに始まり、アルジャントゥイユ、ヴェトゥイユ、ポワシー、そして終の棲家ジヴェルニー。

・ヨーロッパ中を旅し、気に入った土地に滞在しては風景画を描きました。

・兵役で赴いたアルジェリアで受けた「光と色彩の印象」が、モネの探求心の萌芽となりました。

・普仏戦争を逃れたイギリスで、印象派を世界に知らしめるキーパーソンとなる画商デュラン・リュエルと出逢います。彼がニューヨークで開いた印象派展が大成功し、モネはフランスより先にアメリカで、富と名声を手に入れました。
◆People

・1840年11月14日に生まれ、19世紀末を生き抜き、1926年12月5日、86年の生涯を閉じました。

・生まれた時からきかん坊でじっとしていられず、太陽の輝き・美しい海といった大自然とともにあることを好みました。

・風景画家「ブーダン」に見初められ、油絵の戸外制作との運命的な出逢いを果たし、画家の道に進みます。

・モネの「眼」は、印象主義の先駆者といえるオランダの画家「ヨハン・ヨンキント」との出逢いによって、完成しました。

・印象派の仲間たち、なかでもルノワールとの協創によって、印象派を象徴する技法「筆触分割」にたどり着きます。

・生涯追い求めたのは、光を通して再現された「色のある物質を見たその瞬間の印象」をカンバスに再現することでした。

・直接自然を目の前にして、異なる時間・季節・天候の光を描き分け続けるうちに、自然と「連作」が生まれました。

・晩年は、光の当たったモチーフよりも光そのものに主題が移り、物の明確な形態は光と色彩の中に溶融していきました。
・代表作には、「ラ・グルヌイエール」、「印象・日の出」、「積みわら」連作、「睡蓮」連作などがあります。

・遺した作品は、油彩2,000点、デッサン500点、パステル画100点。うち「睡蓮」の作品群は約300点に及びます。

「光の画家」モネの人生を読み解く5つのステップと9つの代表作とは?
「光の画家」モネの人生を読み解く5つのステップと9つの代表作とは?

 

動画でも解説しています!

 

2、「睡蓮の池」について

さて、ではこの「睡蓮の池」とはどのような作品なのでしょうか?
モネと言えば睡蓮、睡蓮と言えばモネというほどに、特に日本人にとって睡蓮はモネの象徴だと思います。
晩年のモネは、ひたすらに「睡蓮」というモチーフと向き合い続けました。
1889年ころから描き始め1926年に亡くなるまでの間に残した「睡蓮」の作品群は、約300点にも及びます。

1883年にフランスの自然豊かなジヴェルニーに移り住んだモネは、絵画制作だけでなく自宅の庭作りにも没頭します。
まずは「花の庭」を、そして1893年からは「水の庭」を手がけました。
そして1899年の夏から翌年にかけ、この太鼓橋のある睡蓮の池をモチーフにした作品にとりかかります。
様々な光の条件でこのモチーフを描いた18作品のうちのひとつが、1899年に制作されたこの「睡蓮の池」です。
この作品が描かれた19世紀末のフランスはこんな状況でした。
・産業革命完成、産業の発展と植民地支配による経済活況、急激に近代化し、物質的にも豊かに。
・1889年、エッフェル塔の完成。政治は安定、ナショナリズムが高まり世紀末へ。忍び寄るWWW1。
・1880年代は、サロンの権威が弱まって画廊が栄え、新しい芸術活動が次々とうまれるアナーキーな状態。
新印象主義やポスト印象派などが台頭し、印象派は古典として扱われはじめた。
そしてモネ自身の状況は、こんな感じでした。
・デュラン・リュエルの尽力により、フランスでの名声とアメリカでの成功を手に入れ、経済的に安定
・最初の妻カミーユを失って以降の苦難を乗り越え、1892年にアリスと結婚。家庭環境は安定
・終の棲家となるジヴェルニーの自宅の庭作りに没頭し、花の庭・水の庭を完成させる
・印象派の仲間たちはそれぞれの道を歩むが、モネは印象主義を貫き、さらに追及していく
・様々なモチーフを連作する中で、ルノワールとともに確立した「筆触分割」をさらに発展させる
・睡蓮以外に、ロンドンの国会議事堂・ウォータールー橋・チャリングクロス橋などをモチーフにした連作を制作

 

現在この作品は、イギリスが誇る世界屈指の美の殿堂「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」に所蔵されています。

 

それでは、「鑑賞チェックシート」の5つの要素から、この作品の画面を少し詳しく見ていきます。

  • モチーフ

描かれているのは、睡蓮の咲く池のある日本風の太鼓橋のかかった庭の景色
描かれた場所は、フランスのジヴェルニーの自宅に作った「水の庭」
描かれた季節は夏、晴れた日の夕暮れ前の午後遅い時間
・中央やや上から画面1/3あたりにかかる、太い欄干の太鼓橋
・その下に全体の半分を占める睡蓮に埋め尽くされた池
・池面への縦に長い映り込みを辿ると上部左奥の岸辺には柳とその枝
・その右奥には、陽を浴びて光り輝く木々
・池の周りに密生する葦の葉

  • 色

・画面の広い範囲を占める、濃い緑色の木々
・対照的に陽の光があたる草木には、淡い緑色~明るい黄緑色
・緑色の太鼓橋、陽の光はその強さにより水色や白の併置で表現
・池を埋め尽くす睡蓮の花は白とピンク。
・睡蓮の裏側に、アクセントのような暗い赤、同じ色での署名
・池面にあたる陽の光は水色の併置で表現

  • 明/暗

・全体として明るく輝くイメージ

  • シンプル/複雑

・限定されたモチーフが描かれてるが、少し複雑な印象

  • サイズ

・88.3㎝×93.1㎝と普通程度のサイズ

 

長めの筆致で描かれた橋の太い欄干や葦の葉・柳の枝と、小刻みなタッチで彩色された睡蓮が対照的な作品です。
そして、色トリドリの緑のハーモニーの中にアクセントのように配置した赤。モネの補色への関心の高さがうかがえます。
モネは特定のモチーフに向き合い、刻々と移ろいゆく光や雲・水面の反射を自由なタッチと色彩で捉えました。
睡蓮の他にも、積み藁、ポプラ並木など、同じモチーフを異なる時間季節天候のもと繰返し描く「連作」に挑みました。

 

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3、私にとって「睡蓮の池」とは

モネは作評について、このような言葉を残しています。

「人は私の作品について議論し、まるで理解する必要があるかのように理解したふりをする。私の作品はただ愛するだけでよいのに。」
そもそも、自然の本質に迫ろうとした以上の想いはないのだから、解釈などせずただ感じればよいということでしょう。
そんなモネのこの作品はわたしにとって「タイムトリップマシン」です。
夏の日の午後遅く、夕暮れまであと少しの時間。
まだ陽の光は強く、高い気温に暖められた空気の中で陽炎のように揺らめいて見える、そんな一瞬の景色。
この絵に誘われて浮かんだ光景は、夏休みのあの日、昼下がりの木陰でみた遠くに映るまばゆい景色。
あの頃、こっそり家を抜け出して外に出ては、自然の中でひとり空想にふけっていた。自由な冒険の時間・・・
誰にだって、夏の夕暮れ前の陽ざしに包まれた思い出のひとつやふたつあるものです。
この「睡蓮の池」は、そこに一瞬でタイムトリップさせてくれる作品だと思うのです。
モネが終生追い求めた印象とは、そういうものだったのかもしれないなと感じます。

 

*

 

いかがでしたか?
実はわたし、モネの連作「睡蓮」にはあまり心惹かれなくて、ずっとご紹介できずにいました。
モネの人生に照らして見つめてみても、なぜか心躍らず・・・
わたしは画家の蒼い時代の作品の方が好きなのかなぁ・・・なんて思っていましたが、実物は違いました。
その美しさにあっけにとられ、気づいたらタイムトリップしていました。
写真だとどうしても黄緑や緑が暗い色に写り、葦の葉や木々に当たる陽の光も緑が強い
せっかくの陽の光を、その印象を、肌で感じるのが難しかったのだなとわかりました。
わたしは、モネは一瞬の印象を鮮烈にカンバスに封じ込める天才だった、と感じます。
そしてその強烈な印象は、誰のココロにもある懐かしい記憶を呼び起こす。
例えば水面に映りこんだ長い長い柳の枝の揺らめきを、
そして葦の葉や柳の枝にかかる細かいタッチで描きこまれたほぼ黄色寄りの黄緑色の粒々の光の圧倒的なまばゆさを、
是非ご自身の眼で心で感じてみてください。

 

参考文献:「近代絵画史(上)」高階秀爾、「印象派という革命」木村泰司、「印象派で近代を読む」中野京子、「1時間でわかる西洋美術史」宮下規久

 

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Mickey

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愛媛の田舎まちで、鮮魚商(お魚屋さん)を営む両親の一子長女としてこの世に生を受けました。感受性豊かで芸術家肌な魚座。ゼロかイチか白黒はっきり答えが出ることが好きなわたしは、リケジョという人生を選びます。

大学は名古屋で工学部に進み、SIerとして就職しますが、28歳で舞台俳優に転向。10年ほど身を置いたのち、会社員生活に戻ったわたしは現在、素材メーカーの知的財産部でシステム担当をする傍ら、定年後の未来を見据え(笑)、アートアドバイザーを始めました。

アートを学ぼうと思ったきっかけは、代表の堀越のメルマガで目にしたこのコトバ。

『~感性と論理は両立しないという「嘘」~ 論理的な力は感性と両立する、むしろともに高めあう関係』

色々なアートの楽しみ方、観方、感じ方があります。それでいいのです。アートに正解はない、逆を言えばすべてが正解!EverythingOK!!そんな想いを胸にガイドさせていただいています。

◯ 好きなこと

感じることが大好きで感じたものを放出することが喜びのわたしは、幼いころから気づけば歌って踊っていました。そしていまは、歌手のコンサート等でバックコーラスをさせていただいたり、ボイストレーナー(歌講師)を目指して日々勉強しています。

◯ 見方が変わった「絵」

クロード・モネの「積みわら(日没)」

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